根の治療は建物の基礎工事と同じ
歯科治療は、根の中に入り込んだ細菌との攻防だと、ところデンタルクリニックは説明する。感染した根っこは気づかぬうちにダメージを受け、放置すれば周囲の骨にまで炎症が広がり、歯を支える土台そのものが失われていく。院内ではこれを、家の柱を静かに食い荒らすシロアリにたとえて患者様へ伝えている。どんなに立派な家でも基礎がおろそかになれば全体が崩れる、という理屈だ。
以前の治療後に違和感が残る、痛みが落ち着いても釈然としない——そうした相談は少なくない。根管治療は見えない部分への判断が求められるため、検査の精度と説明の丁寧さが結果を左右する。ところデンタルクリニックは過去の診断だけで結論を出さず、歯の内部まで精密に確認したうえで、残せる可能性を探っていく。
三つの設備で「見えない」を「見える」に変える
精密さを支えるのが、マイクロスコープ・歯科用CT・クラスB基準の滅菌器という設備群である。マイクロスコープは肉眼の2倍から24倍まで拡大でき、経験や勘に頼りがちだった根管内の観察を、目で確かめる作業へと置き換えた。歯科用CTは立体画像で診断精度を高め、従来のアナログレントゲンに比べて被ばく量も大きく抑えられるため、妊娠中の方や子どもの撮影でも負担が少ない。
衛生管理では、ヨーロッパ基準の中でも最も厳しいとされるクラスB基準を満たした滅菌器を導入している。血液や唾液が付着しうる器具を確実に処理し、高圧蒸気滅菌が難しい器材にはディスポーザブル製品を使うことで、交差感染を防ぐ体制を組んでいる。個人的には、根管治療という地味に見える処置に、ここまで機材を投じている点が取材中もっとも記憶に残った。
唾液を遮断するラバーダム、そして抜歯を避ける外科的選択
治療中の再感染を防ぐため、ところデンタルクリニックは治療する歯以外をゴム製のマスクで覆うラバーダム防湿を行っている。対象の歯だけを露出させて隔離することで、唾液に含まれる細菌の侵入を抑え、無菌に近い状態をつくる。防湿によって詰め物の接着も安定し、薬品が粘膜に触れる心配や、小器具・薬液を誤って飲み込む不安も避けられる。口の中に水を溜めておく必要がないため、処置中の苦しさも軽い。
従来の根管治療で改善が難しい症例に対しては、最新の外科的歯内療法を用いる場合がある。これまで抜歯とされてきた歯にも、残せる道がないかを最後まで見極める姿勢だ。「できる限り歯を残す」「再発リスクを抑える」という二つを最優先に据え、諦める前にもう一度現状を見直す選択肢を、ところデンタルクリニックは用意している。


